F-ZEROにおけるPALとNTSCの違い
YouTube等にあるXやGX、SFC版の動画の中にタイトルにPALと書かれたものがあります。
これは、その国で使われている映像方式を表しています。
PALは主にヨーロッパ、アジア、アフリカ等で使われており、
NTSCは日本やアメリカ、カナダ、中南米、そしてアジアの一部の地域で使われており、
採用国の数や人口では、PALのほうが多いです。
(もう1つSEACAMという映像方式が存在しますが、ゲームを行う際はPALと同じなので省略します)
では、具体的に何が違うのか。
NTSCは1秒間に※約30フレームの映像を流し、PALは1秒間に25フレームの映像を流します。
(実際にテレビにゲーム映像として出力される場合
レースゲームの多くはその2倍のフレーム数で表されます(NTSC60フレーム、PAL50フレーム)
フレーム数の増加により、滑らかな映像を表現できるというわけです。)
なので、PALの方がフレーム数が少ないのでNTSCに比べて1.2倍遅いということになります。
ここで問題が生じます、
1.2倍遅い処理速度で走る事、すなわちNTSCを使用する側から見ればスロー再生のような
状態で走った記録が果たして同等の価値があるものと言えるのでしょうか?
F-ZEROが発売されている地域は日本、アメリカ、そしてヨーロッパです。
日本とアメリカがNTSC方式なのに対しヨーロッパはPAL方式です。
販売本数は日本とアメリカのNTSC方式の方が上ですが(Xは日本よりヨーロッパのほうが多い)
特にXでは、2コース以外の全て世界記録がPAL方式です。
(2016年8月現在)
その他のゲーム、例えばTAS等の各種タイムアタックムービーでは、
ゲーム中に表示されるタイムだけでなく実際にプレイしている時間も入れることになるので、
処理速度の遅いPAL版は基本的に使われていません。
しかし、世界最大規模を誇るF-ZEROサイト「F-ZeroCentral」では、PALとNTSCの区分は行われておらず、
あくまで同列の記録として扱っている現状に少なからず不満を持っている人もいます。
追記:昨今ではXにおいてはNTSCとPALの世界記録を分けて考える動きや
GXでは60Hzの記録のみを世界記録として扱う等
以前に比べると映像方式の違いに理解が深まってきたと言えます。
しかし、依然としてLadder上では双方の記録を同一の物として扱っています。
※実際には毎秒29.970029フレームですが、これをゲーム機から出力した際に
どうなるのかは定かではないので、ここではゲームに関しては1秒30フレームとして数えます。